理化学研究所 生命機能科学研究センター / 東京大学 生物普遍性研究機構

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生物システムは、様々な環境変化や内部状態の揺らぎの下で機能し続けられる頑強性(ロバストネス)を持つ一方で、 環境変化などに対して柔軟に内部状態を変化させる可塑性を持っています。このロバストネスと可塑性が両立できるという点は、 生物システムと人工システムの本質的な違いの一つです。しかし、どのようにして複雑な化学反応のネットワークがその両立を可能とするか、 メカニズムの理解は進んでいません。一方で、大規模な生物実験データが取得できるようになり、 そうしたデータに基づいてシステムの状態遷移やそのロバストネスを議論できるようになりつつあります。我々の研究チームでは、微生物の適応進化や、多細胞生物の発生過程などを題材として、細胞状態のロバストネスと可塑性について、 理論研究と実験研究の双方からの理解を目指しています。

細胞モデルを用いた
進化ダイナミクスの解析

内部に簡単な代謝反応ネットワークを持つ細胞モデルの進化シミュレーションを行い、進化の結果として取り得る表現型が低次元に拘束されることを見出しました。

バクテリア遺伝子発現の
揺らぎと進化

大腸菌のそれぞれの遺伝子について、同一遺伝子型での発現量の揺らぎ、環境変動に対する応答、そして進化的応答を定量し、それら間にある関係性を解析しています。

代謝ダイナミクスの
理論的理解

微分方程式を用いて大腸菌の代謝反応システムをモデル化し、様々な環境下でどのような挙動を示すのかを力学系やネットワーク理論を援用しながら包括的に解析しています。

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